障害者側からみる乙武氏入店拒否問題その2

障害者側からみる乙武氏入店拒否問題

まるみえ星人です。

誰も見てくれないかもしれませんが、くじけず書きます。


乙武氏の入店拒否問題ですが、どうも話がややこしくなってる気がします。

繰り返しますが、障害者の1人として今回の件を「人権侵害」や「差別」にもっていくのは断固反対だし間違ってます。

社会的に、もしくは表面的にはそう扱えるのかもしれませんが、ぼくは当事者なので、そんな建前でこの問題が流れてしまうのは困るのです。


今回、問題にすべきはあくまで双方のコミュニケーションの取り方であって、

重要なのは「予約の時に車椅子であることをなぜ伝えなかったか」なんです。


これが予約の時に車椅子であることを伝えて、それでひどい対応をされたとしたなら、そりゃ間違いなく人権侵害でOKだと思いますよ。

そりゃもうツイッターで名指しでバンバンやって信者総動員で、叩きまくりゃいいと思います。

でも、今回はそうしなかったのに、人権だとか差別だとかになってるのがムカつくのです。


乙武氏によると「事前に確認をとったことがなかったので、そもそもそういう考えがなかった」的なことを言ってましたが、

だとすれば、それはあまりにも相手に対する気遣いとか想像力がなくて、いかに今まで自分が恵まれてたかを再確認すべきです。

いや、恵まれてたのはいいことだと思うのですが、だからこそ「こちらも油断してたね、もうこねーよバカ」で済ませる話だと思います。

店主がどんなに嫌なやつであっても、「確認しなかった」のであれば、それはもうそうするしかないのです。



ぼく自身、エレベータがないようなところに行く場合は必ず事前に何らかの方法で確認するようにしています。

それ自体、苦にもならないしトイレ等の不安とか相手への面倒をヘッジできるし、双方にデメリットなんか1つもないです。

だってお店が忙しい時とかに本来、業務外である「障害者を抱えて登る」ってサービスをお願いするんですよ?

そりゃ事前に確認するのが礼儀ってもんでしょうに。

「そういう考えは卑屈だ」とか「心のバリアフリーがなってない」とかいう問題じゃないと思うんだけどなあ。



また「海外ではこれは人権問題になるよ」とおっしゃてる方もいるようですが、そんな奴には

「おまえ外人がいうことなら何でも正しいのかよバーカ」って言いたくなりますし、

そもそもその人権侵害の対象となる他の障害者がどう感じているかということも無視して人権もクソもないでしょう、と。

ま、それは当事者ではないのでしょうがないんですけどね。

だからこうして自分がちょっとでも人目につくことを期待して書いてはいるんですけど。


今回の件を人権問題にしたら結局本質的なノーマライゼーションなんてものは更に遠くなると思うのですね。


これからしばらく、障害者が来店した場合の店の対応は表面的には良くなるかもしれません。

だとしたら、そのホスピタリティは優しさとか多様性を認めるものからくるのものではなく、

「クレームつけられて店の評判落とされたらどうしよう」という恐怖感からくるものだと思います。


それって良いことなんでしょうか。

逆差別に怯えながら内心腹がたってる健常者と、乙武氏を盾に調子乗りだす障害者を増やすこと以外、なんかあるんでしょうか。

それが「差別しないこと」の結果であるとすれば、そんな本末転倒な話はないんじゃないかと思います。

少なくともぼくは「ああ、なんか変に気使われてんなあ...」と思いながら外食するのは嫌です。



話しは少し変わりますが、より障害者が生きやすい社会を世の中が目指すのであれば、

乙武氏に対するカウンターになれる人が必要だと思うのです。

アンチとかレイシスト的な意味じゃなく障害者の立場でカウンターになれる人が絶対必要だと思うのです。


彼は間違いなく障害者に対する世間のイメージを良い方向に大きく変えてくれたと思います。

ただ、常に彼が正しいわけではないし、その影響力の大きさ故に他の障害者にとってデメリットとなることもあるのです。

今回はそういう面が出てしまったけれども、だからといって乙武氏の全てを叩くというのも間違ってます。


そして乙武氏一人に「障害者のイメージ」を背負わせるのも、間違ってます。